私の両手には 拭っても 拭いきれない程の 血が 血が 血が ついていて 私の両手は 真っ赤なのに どうして貴方は 綺麗なのですか? ウラヤマシイ ニクラシイ ネタマシイ その笑顔を 壊したい あぁ――… 貴方を見上げても 眩しくて… すぐに目を 背けてしまう この違いは何ですか 刻を戻す ヤキンから数日が経った。 俺は、オーブへと亡命し、キラの元に身を置いていた。 プラントに彼を残して これは俺の罪なのか? わからない。 わからない。 わからない。 何が罪なのかわからない。 大切な人達は、皆キラに殺され、奪われた。 ニコル――… ミゲル――… ラクス――… そして、キラの所為でなくとも、ラスティも死んだ。 殺された。 奪われた。 そして俺は、トールというキラの友達を殺した。 それは、俺の罪なのですか? 「あ…!ぁああッ!!」 だから、彼を残して、君に連れられるままにオーブに来て、君に抱かれているのですか? 俺は、いったい何の為に生きているんだ…? 何の為に生かされているんだ…? 両手を鎖でベッドへ繋がれて、両足を君の手で開かされて。 足首には、やっぱり鎖。 「アスランは淫乱だよね…。ほら、こんなにひくひくしてる」 くぐもった音を立てながら無遠慮に動き回る機械。 部屋に入った途端に飲まされた薬で、何が何だかわからない。 MAXにまで上げられたスイッチは、嬉しそうに俺を見下ろすキラの手中。 そのキラの顔も、涙で霞んでいる。 「ねぇ、アスラン。欲しい?」 「ッあ!…あ あ…あ…っ!」 口から出るのは母音だけ。 奥の方まで機械を埋め込まれた秘部の回りをキラの指がするりと触れていく。 この機械のサイズは小さい。 はっきり言って物足りない。 でも、欲しいのは君のじゃない。 金属のリングで戒められた自身が悲鳴を上げている。 痛い 痛い 痛い 身体が 心が 何かが 「ゃあ…!いやぁあ!!」 子供のように泣きじゃくり、髪を振り乱し、キラを拒絶する。 刹那、頬に当たる衝撃、頭がくらくらする。 何がおきた――…? 叩かれたのか? キラに? 他人事のように冴えた頭は、理解したくない現実も理解してくれる。 左の頬が、腫れて熱を持った。 「うぁ…!?キ、ラ……?あ…っ」 中のものがズルリと抜かれる感覚に身体を震わせる。 キラは瞳に闇を浮かべて俺を見ていた。 嫌だ。 そんな目で見ないでくれ。 そんな目で――… 「アスラン。君、今僕を拒絶したでしょ」 あの頃に…もうあの頃には戻れないのか? 今、俺の目の前にいるのはキラじゃない。 そんなこと、認めたくない。 どうして――… 何でお前はこんなに変わってしまった――…? これも…俺の罪? 「キラ…嫌だ……俺は、こんなこと…っ」 なら俺は、君を拒絶してはいけないのか? また、乾いた音が暗い部屋に響いた。 右の頬まで、ひりひりとしてきて。 だが、それを痛みとして感知出来ない。 ショックで。 信じられなくて。 「君は僕の物だなんだよ?物が拒絶するなんて、ありえないよ?」 「嫌だ…い、ゃ…ああぁあ―――!!!」 彼のではないモノが入ってくる。 気持ちが、悪い。 反吐が出る。 キラを、彼と思ってしまえばいいのか…? そうだ…そうしてしまえばいい…… どんなに楽だろうか。 だが、唇から知らずに漏れていたのは、キラを彼と思う言葉では無く、彼に助けを求める声だった。 止めなければ。 やめなければ。 ヤメナケレバ。 また、叩かれるのだろう。 「イザ…!!イザ…ぁク!!たす、け……!!ぁ、ぁあ!…っすけ……てぇえ!!」 響く、水音の中に交じった、皮膚を弾く音。 「いい加減に…っ、しなよね……あいつは、遠い宇宙の向こうだよ……っ」 俺を思い切り貫きながら、分かり切ったことを言う。 キラのモノを、自分の内壁が包み込んでいるのがわかる。 乱暴に揺さ振られて、擦り切れそうな感じがする。 身体は、正直だな。 正直過ぎて、嫌になる。 嫌だ、止めてくれ。 もう、これ以上俺を――… 汚さないでくれ 「ひぁ…!!キラ…ぁ イきた……!!」 心はついていかない。 連れていかせない。 いつまでも、心は彼の元に。 宇宙に――… 隠していて。 持っていて。 離さないで。 お願いだ。 初めて使う、一生のお願いだ。 届いてくれ。 愛しの君に――… 「イきたいの?だったらお願いしてよ」 狂ったような笑みを口元に浮かべ、可哀相な程に震えている俺の分身の先端に爪を立てる。 反り返る背中。 何も身につけていない筈の身体は、厚着をしているかのように熱い。 「ひゃあぁッ!っ……ねがっ、キラァ…!!」 これ以上止められては、壊れてしまいそうだった。 狂って、しまいそうだった。 …そんなのは、君へのただの言い訳かもしれないが 満足したように微笑みながら、俺を塞き止めていた忌々しい物を外していく。 外された瞬間に、俺は今日二度目の熱を放った。 思わず下腹部に力が入る。 キラが苦しそうな声を出し、俺の中へと白濁を吐き出した。 気絶してしまえば、楽だったのに。 「ぁ…ん……ふ」 「まだ出てるね、アスランの」 びくびくと身体が震える。 あの薬はドラッグだろう。 キラのことだ。 依存性が強く、強力なものに違いない。 俺からキラを求めるように――… 「アスラン」 嫌な音を立て、キラのモノが引き抜かれる。 薬は、恐らくもう抜けた。 伊達に軍人をやっていたわけじゃない。 ……まだ、頭の芯はぼぅとしている気がするが。 彼に会いたい …会いたくない こんな、汚れた姿で 手首が痛い。 足首も痛い。 鎖の長さは充分だが、枷の部分が擦れて痛い。 中は切れていないみたいだが。 叩かれた頬が、今になって痛み始めた。 痛い 痛い 痛い 身体が 心が 何かが 「アスラン?」 覗き込んでくるキラを、虚ろな目で見上げる。 どうして――…? 「……キ…ラ…」 情けない擦れた声が、自分の口から出ていく。 涙が、耳に入る。 「よかった。大丈夫みたいだね」 どこが大丈夫なんだ。 ぼろぼろだ。 身体も 心も 「ふふ……傷になっちゃったね。手首」 キラの言うことも、もう耳には入らない。 中に残された液体を掻き出したくて仕方がない。 彼のモノなら、そうは思わないのに。 眠ってしまいたい。 現実から…目を背けてしまいたい。 「どう、して……」 思わず口に出していた。 どうして、俺をオーブに連れてきたの どうして、こんなことをするの どっちの疑問なのかは、自分でもわからない。 「何が?」 違うだろう?キラ。 何に、じゃないのか? 大分喉がマシになってきた、しゃべれそうだ。 頭も、はっきりとしてきた。 「どうして……お前は俺から大切な人達を奪っていくんだ…」 諦めを含んだ、そんな声だと、自分でも思った。 そして、キラはとても嬉しそうに笑った。 俺を組み敷いたまま。 「当たり前じゃない。君は僕の物なんだから。君は僕がいればいいでしょ?」 本当に、当たり前のように俺に言う。 俺は…お前の物でも、誰の物でもない。 キラの言葉に弾けるようにまぶたを押し上げ、濁った紫水晶の瞳を見た。 「キラ……ッ」 懇願を含んだ呼び掛け、それでも、キラは狂ったようにくすくすと笑っている。 怖い 恐い こわい 俺を組み敷いているのは、誰――…? 「君に近づくモノ、全部消してあげる…」 ラクスは女の子だからね、と続いた言葉に驚愕する。 やはり、キラは確信犯だった。 ずっと、認めることが出来なかった。 認めたくなかった。 「ッ……もう…やめてくれ…俺が何をしたって言うんだ…」 キラを見上げたまま、瞳から涙が溢れてきた。 嗚咽は出ない。 ぽろぽろというわけでもなく、静かにつぅっと流れていく。 キラの笑顔が、蔑みを含んだものから優しいものになった。 こんな状況じゃなければ、どんなにかよかっただろう、その笑顔。 「君の涙は綺麗だね。僕とは違って…」 何かを含んだような言葉。 「何を言…あぁッ!」 何を言っているんだという疑問を投げ掛けることは出来ず、強く自身を握り込まれた。 痛さで声を上げると、当然のように開いた口に何かを押し込まれる。 吐き出したくとも、ぎりぎりと柔らかいモノを握られて身悶えるしかない。 カプセル状のそれは、紛うごとなき、部屋に入った時にも飲まされた物。 カプセルは薄く、唾液ですぐに溶けていく。 溶けたと同時に、中身は唾液と共に喉を通り、体内に入っていった。 「いゃぁあ…!!いたぃ…!キラ!キラァア!!」 やめてと叫びながら頭を振るが、その強烈な痛みは、薬によって快感にすり変わった。 握り込まれて、可哀相な程に赤くなっている自身から、先走りが滲む。 キラは、すごいと感嘆の声を洩らした。 冗談じゃない… こんな… 「んあぁっ!やだぁあッ やめ…っ、キラァ!」 身体が熱い、やめてくれと言っているのに、キラを誘うかのように腰が揺れる。 駄々を捏ねているような様だ。 自分でも思った。 「ねぇアスラン。欲しい?」 「あ、ぁあっ や…!ぃや…!!」 聞きながら、厭らしく濡れた秘部のまわりをなぞっていく。 びく、びくっと下肢が震えた。 秘部が、疼く。 「ん…ふぁ、あんッ」 俺の反応に気をよくしたのか、キラがローターを手に取った。 「ぁ…あ、あ」 嫌と言うことも出来ず、解れ切ったそこに押し入ってくる。 物足りない圧迫感は、薬で敏感になった身体に中途半端な快感を生む。 「すごいすごい!全然大丈夫だね」 キラの手が届かなくなる程奥まで埋め込まれて、滲む視界に笑うキラを見る。 繋がったコードの先はキラの手中。 俺に見えるように持ち上げて、かちっかちっとスイッチを上げた。 その音を追って、くぐもった音を立て始める玩具。 中に放たれたままのキラの熱を内壁と一緒に掻き混ぜられる。 「ひあぁ!ぁああ…ッああ!」 ぐちゅぐちゅと中を探るように動かされて、引っきりなしに悲鳴が零れた。 すぐに性感帯を見つけられ、キラがその場に留まらせる。 どうすることも出来ず、自身が限界を訴え始めた時、一階から何か声がした。 「キラー、ちょっと降りてきてー」 上手く聞き取れないが、昔も今も快く俺を家に通してくれた、キラの母親の声だろうか。 「あッ はぁ、ん!」 「はーい、ちょっと待ってて!母さん」 首だけを下の階の方向に向け、大きな声でキラは言う。 昔のキラを彷彿とさせた。 「じゃ、ちょっと待っててね?アスラン」 同じ言葉の筈なのに、とても違うものに聞こえる。 「ゃだあ…!こ、れ…とってぇッ」 喘ぐ俺を置いてキラは部屋から出ていった。 「ひゃあッ、んあ、ぁああ―!!」 四肢を震えさせ、触れられていない自身から粘液を飛ばす。 断続的に震える身体の所為で、中の物の位置が変わった。 より敏感な場所が嬲られていく。 「たす、け…ぁあっ、イザ…ク…ッ!はぅ、あっ」 俺の心は君の傍にあるのに。 どうして君は今近くにいないんだろう? 「ゃあ…ッ どう、してぇ…!!」 俺の声は、虚しく部屋に響いた。 END |
後書き 鬼畜になりきれていないですね… 前から書いてみたかったネタです。 実はまだまだ続きがあります… とりあえずここまでにしておきますっ(中途半端) ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 まな 05.09.11 |