小ネタ集 1〜5 6〜10 11〜15 16〜20 21〜25 26〜 Old↑↓New 6.戦後甘 └イザアス 7.電話 └イザアス 8.電話関連 └(イザ)アス+キラ 9.拍手小説 └拍手に載せていたもの 10.拍手小説 └拍手に載せていたもの 戦後甘 アスランが家に来た。 と言っても、大した理由がある訳ではない。 ただ、たまたま明日、二人の休暇が重なった為、彼奴は最終便のシャトルに乗ってプラントまでやって来たのだ。 任務終わりでそのままこちらに来た彼奴がシャワー室から出て来るまで、ソファに一人もたれ掛かる。 今日明日と二日続けて休みを分取った俺とは違い、アスランの休みは明日一日だけだ。 明後日の早朝、彼奴はまた地球へ帰らなければならない。 忙しい、とは思うが、そんな中で会いに来てくれるのも嬉しいものだ。 「上がったぞ、イザーク」 後ろから聞こえた声に振り返り、タオルを頭に引っ掛けた格好で現れたアスランを視界に捉える。 隣に座ってがしがしと髪を乾かし始めた奴の方から香る匂いに目を細めて、自分の横髪を手に取った。 それを鼻の辺りに引き寄せ、匂いを嗅いでから隣の奴に顔を近付ける。 すん、と鼻を動かした途端に感じる香りは、俺のものと同じだ。 「…何だ…?」 訝しむようにこちらを見るそいつの唇を、掠めるように奪ってから顔を離す。 湯上がりだからという言い訳が通じないくらいに、その頬が赤みを増した。 それをそっと指先で撫で、そのままの流れで横髪を掴んで唇を寄せながら、深い緑の瞳を上目に見つめる。 「シャンプー。同じ匂いだな」 「当たり前じゃないか。お前のを借りたんだから」 鼻孔を擽る香りに満足して顔を離し、アスランの肩に腕を回して引き寄せる。 一瞬身を固くしながらも肩にもたれ掛かってくるそいつが愛おしく感じて、俺は気付かれないように目を細めた。 「愛しているぞ、アスラン。今度、俺が使っている香水を贈るから貴様もつけろ」 「…‥意味を分かって言っているんだろうな」 「無論だ。嫌とは言わせん」 身も心も、貴様は俺だけのものだと心の中で呟く。 ちゅ、とタオルの上から頭に唇を寄せると、それでは足りないと言わんばかりに唇を押し付けられた。 重なったそれを啄んで返しながら、互いの吐息を堪能する。 強く抱き締めて、苦しくなるほどに掻き抱いた。 END 07.08.09 ↑ 電話 「今日は、あの番組のある日では無かったか?」 先程まで話していた内容を切り、電話口で突然言われて、アスランは卓上にあった情報誌を片手に取った。 ぱらぱらと捲くりながら、今お前はそれを見られないのかと問い掛ける。 違う部屋にある、という返答に小さな声で返して、イザークが言っている番組が載っているはずのページを見た。 「確か、二十二時頃からだったと思うんだが」 「え…?」 耳に飛び込んで来た言葉に驚き、並ぶ番組名を追っていた視線を止めて、アスランは壁に掛けてある時計に目を遣る。 電話の向こうで、イザークも驚いたような声を上げた。 「…二十二時!?なら、もう過ぎているではないか!」 自分で突っ込みを入れているイザークを無視して、アスランは再び雑誌に視線を戻す。 二十二時の欄を見てみるが、今探している番組の名前は無かった。 「無い…みたいだぞ」 「は…?…そうか」 「ちょっと待ってくれ。探すから」 「…すまんな」 しばらく沈黙が続いたが、二人の間に気まずい空気は流れていない。 声だけでも繋がっていることに何と無く安堵し、アスランは口元を少し緩ませた。 そして、番組欄の間に小さく書いてあった名前を見付けて、それをイザークに告げる。 「二十三時からのようだぞ」 「そうだったか、もう少しだな」 情報誌を畳み、そうだな、と呟いたアスランに、イザークは再び謝罪する。 その言葉に小さく笑って、 「いいんだ、俺も見たいやつだったからな」 と返してやった。 実際に、見たいと思っていたアスランにとってはどうという事も無いのだが、イザークは電話の向こうでその返答を聞き、口元を少し緩ませる。 「…そうか」 何と無く向こうで笑っているのが伝わり、アスランは軽く眉を顰めた。 「…何だよ?」 「いや、離れた場所で同じ番組を見るのも良い…と思ってな」 「………」 思わず沈黙して、次第に熱を持つ頬をごまかすように小さく、馬鹿じゃないのかと呟きを零す。 「…馬鹿とは何だ!照れるならもっと可愛らしく照れろ!」 先程までと全く違う、キンと耳に響く怒声に、アスランは思わず受話器を耳から離した。 可愛いって何だよと文句を返して、ちらりと時計に目を移す。 後少しで、二十三時が来ようとしていた。 「ほら、もう時間が来るぞ。じゃあな」 「…待て!アスラン」 「何、」 「愛しているぞ」 囁くように、トーンを落として告げられた言葉によって感じる照れを、吐息を吐く事で紛らわせる。 突然、はぁ、と聞こえた息の音にイザークは眉を寄せたが、それも次に続いたアスランの言葉を聞くまでの事だった。 End 08.02.17 ↑ 電話関連 種デスのオーブの、マルキオさんとか子供達とかカリダママとかキラとかラクスと、アスランが一緒に住んでいる設定です(無駄に長い) 「あ、ねぇ、アスラン」 朝、目を覚まして階段を降りている途中で掛けられた声に、俺は少し驚いた。 何時もは起こしに行かなければ起きて来ないキラが、俺よりも先にテーブルに着いていたからだ。 一番端に座っていたからか、まだそこに到達していない俺を見付けられたらしい。 そのキラが、ぴらぴらとこちらに向けて振っている紙が何なのかわからず、俺は眉を顰めた。 「通信代、凄いよ?」 「っ、キラ!」 だが、続いたキラの言葉でそれが何なのかわかった。 俺に届いた、先月分の通信代の請求書だ。 勝手に手紙を見られた事と、キラの言いたい事に憤慨して、その紙を取り返そうと階段を駆け降りる。 掠め取ろうとしたそれを、ひょいと遠ざけられて眉間に力が篭った。 「もう少し安い所に変えたら?」 「………」 何とか腕を伸ばして机に片手をつき、身を乗り出してみるが、キラは巧みに俺の手を避けて紙を泳がせる。 「ただでさえ、地球プラント間の通信料って高いんだから」 からかうキラをじっと睨んだが、クスリと笑って返された。 子供達も興味津々と言った風に集まって来て、人の物を取ってはいけないんだよとキラに言葉を投げ掛けている。 キラの母とラクスは、視界の端で顔を見合わせて笑っていた。 「その分、僕だったら…顔を見たい時にすぐ会えるよ?」 「馬鹿な事を言うな」 突然キラの腕に腰を引き寄せられ、少しバランスが崩れる。 顔の近さを感じたが、直ぐに持ち直してようやく紙を指先に捕らえると、キラはちぇ、と小さく言って腰を離した。 「キラ、アスランを虐めてはいけませんわ」 クスクスと、ラクスが笑みを零してキラを窘める。 不機嫌になっていく顔を見て、くしゃりと茶色の髪を撫でてやりながら請求書に視線を移すと、そこには確かに、結構な金額が書かれていた。 だが、何も気にしていない風を装ってその紙を封筒にしまう。 「人の手紙を勝手に見るな。わかったか?キラ」 ちら、と視線を落として言うと、キラは少し拗ねたように唇を尖らせた。 先程見た金額を思い出して、やはりもう少し自重しなければならないかと思いながらキラの隣に座る。 だが、毎晩のように声を聞きたいと想う気持ちを、抑えられるかどうかはわからなかった。 「…僕の隣で、イザークの事考えないでよ」 End 08.02.21 ↑ 拍手小説 「イザークッ」 アカデミー内の、整備された白い廊下を、イザークは珍しく一人で歩いていた。 彼のお付きとして有名なディアッカは、今はいない。 片手に次の授業である、歴史の分厚い教科書を持ち、イザークは名前を呼ばれて振り返った。 「なんだ、アスラン」 イザークの名を呼んだのは、彼が勝手ながらもライバルと決め付けている少年だった。 いつものすかした顔はどこへやら、走ったのか、少し紅潮している頬を見、イザークはアスランに気づかれない程度に笑う。 アスランがイザークを呼び止めるのは、周りからしてみれば珍しかった。 逆ならば珍しくもなんともなかったのだが。 だが、アスランは、イザークと同じ分厚い教科書を持って、イザークに近づいていく。 「捜すの大変だったんだからな…すぐいなくなって…」 少しふてくされたように言うアスランに、イザークはくすりと笑った。 何が可笑しいのかと、アスランは訝しげにイザークを見る。 「いや、悪かった…ほら、早く行かんと遅れるぞ」 イザークは、訝しげな顔をしているアスランにまた少し笑いながら、空いている片手を差し出した。 「ぁ、ぁあ…」 アスランは真っ赤になりながらその手を軽く握る。 だが、イザークはするりと指を絡めてきた。 そんな些細なことにも、アスランの頬は更に朱に染まる。 他の誰も知らない、二人の関係。 END 05.10 ↑ 拍手小説 廊下を歩くときは、後ろに注意しなきゃいけない。 俺だけなのかもしれないが、俺は皆にそうすすめる。 何故かAAにいるイザークと、並んで廊下を歩いていた時… 「元気でよかった、イザーク」 笑いながら、つくづくそうだと思って言えば、普段俺にしか見せてくれない優しい笑みを作ってくれた。 綺麗…言うと怒るけど。 「あぁ、貴様もな」 「…お前、白服似合うな」 「…何だ、いきなり」 不機嫌なわけでもないイザークの、潜められた眉。 顔を合わせた途端に、互いに吹き出し、くすくすと笑ってしまった。 「貴様には赤服が一番似合うな」 今着ているオーブの軍服を、これ見よがしに見、イザークは言う。 忌々しそうな声に、俺はまた笑った。 自分でもわかっていたことだったから、何故か余計に笑えてしまう。 「似合わないだろう?白い―…ぅわっ!」 白い軍服は。という言葉は、突如、後ろからやってきた衝撃によって止められた。 おそらくは…キラだろう。 「…貴様…何をしている」 「アスランと遊ぼうって思って」 急に低くなったイザークの声に、何かを含んだキラの声。 後ろから腹部に回されたキラの腕に、俺は手を添えた。 「キラ…手を…」 「ん?どうしてほしいの?」 除けようと力を籠めるのだが、キラの手は動かず、それどころか服の合わせ目から手が… 何で止まらないんだ。 イザークが当然黙って見過ごす訳もなく、廊下のど真ん中で… 「貴様ばかりアスランに触るんじゃない」 「んっ…ゃめ…!」 侵入を果たしたキラの手は、俺の胸元を這い、まだ柔らかい胸の飾りを愛撫し始めた。 イザークはと言うと、ズボンに手をかけている。 こらこらこらこら…! 「やめろ二人共…!!ぁ…ッ、誰か通ったらどうす…っ」 俺の言葉を、二人が聞く訳もなく。 「見せ付けてやればいいだろう」 「そうそ」 アンダーの下から差し入れられたキラの手は、俺の素肌を空気に晒させ、その冷たさに俺はふるりと身体を震わせた。 するりと、スラックスと下着が下ろされる感覚に、俺は焦ってイザークを呼ぶ。 下肢が晒され、羞恥が俺を襲った。 いつ、人が通るかわからないのに。 そう考えると、知らず、身体が熱くなった。 「ゃあ…ッ」 「仕方がない…おい、ヤマト」 「…わかったよ」 嫌々と頭を振った俺に、何が仕方ないのか、イザークはキラに目配せし、さっとまたズボンを引き上げた。 キラも俺の上着の乱れを直し…その二人の早さに、俺は何も言えない。 「ぇ……ッ?」 当然のように、キラの自室へと連れてこられてしまった。 部屋に入った途端に、イザークに後ろから抱き竦められる。 キラはロックを掛けながら文句たらたらだ。 「抜け駆け…」 「言い掛かりはやめてもらおうか」 険のある二人の声に、喧嘩を始めるのではないかと危惧しつつ、俺はイザークの胸におとなしく抱かれていた。 暴れてもどうせ無駄だからな… だが、そんな俺の様子に、キラはどんどん拗ねていく。 俺はキラに弱い…。 わかってるんだが、どうにも…。 「僕も抱き締めるからアスラン放してよ」 どういう理由なんだと溜め息をつく俺を抱き締めるイザークの腕に力が籠もる。 いや、イザーク…痛いから… 「アスランは俺のところにいたいんだ。そうだろ?」 「違うってば!!ね?アスラン!」 もう、どうにでもなれ… 何だかんだと俺に言ったあと、二人は当然のように喧嘩を始めてしまった。 何故こんなことにと溜め息をつき、イザークの所為でそこから逃れられないことを知る。 折角の一日が、終わりを迎えようとしていた。あの時、キラにさえ見つからなければ… イザークと二人で過ごせたかもしれないのにと考えたことは、俺の胸にしまっておこう。 END 05.10 ↑ |